夜のドライブ

  • 2009/06/30(火) 22:11:42

燈利は車が大好きである。

最近は「ブーブ、ブーブ」と言って

車に乗せろとよくせがむ。


外の景色が珍しいのか、

いろんなものを指さして

楽しそうにしている。


昼間の忙しい1日が終わり、

いよいよ寝かせる段になると

また再びドライブに連れて行くのが

最近の日課である。



機嫌の悪かった日、

体調がよくない日、

そうでない日も含めて自分に余裕のある日は

車に備え付けられた

チャイルドシートで寝かしつけるのが

私なりの創意工夫である。


これが寝かしつける側にとっては、

とても楽である。




夜、車のドアをあけると

燈利はすすんで助手席の

チャイルドシートに座ってくれる。

眠たいときのゆりかごの気持ちよさを

どうやらすでに知っているようだ。


走ってしばらくすると

手をつなげと言わんばかりに

自分の手を運転席側に差し出してくる。


手を差し出すと、私の五本の指から

その日お気に入りの一本をつかんで

手のひら全体でグッと強く握るのだ。


田舎独特の真っ暗闇の中光る街灯に

少しの怖さを抱くのだろうか。


私はその手を快く引き受けながら

夜のドライブが幕を開けるのである。




こうなるといつもすぐ寝てくれるので、

そんなに遠出はしない。

近所の暗がりの道を

何周か回って帰るだけである。


早い日は5分位だろうか。


いつものコースを一周もしないうちに

娘は眠りにつく。



特に助手席に目をやることはないのだが、

次第にその指を握っている手の力が

抜けていくのがわかるのだ。



たまに対向車のライトがまぶしく光ると

目を覚ましてグッと強く握り替えしてくるのだが

それも一瞬である。


手のひらが私の指からストンと落ちるのが

このドライブの終演の合図である。








いつか私が命終わっていくそのときに、

この娘は今の私と同じようにして

私の手を握りしめてくれているだろうか。


年老いて小さくなった手から

最後の力が抜ける瞬間まで

私の手を包み込んでくれるだろうか。


もしそんな人生がおくれるとするならば、

この私の人生は

最も仕合わせなものであるに違いない。


たとえそれがかなわなくったって、

今こう思えるひとときがあるということが

誠に尊く、誠に有り難いと思うのです。

この記事に対するコメント

>凡愚さま

ともに一児の子をもつ親として
育てられながら歩んでいきましょう。

なんまんだぶ。

今生きているこの一瞬もつつみこんでくださる時間も空間も超えた大きなはたらきに感謝。南無阿弥陀仏

こころ温まる記事でした(涙)

まあね。
大変ばっかりじゃなく
意外と楽しいことあるよ。

燈利ちゃんとラブラブやね〜♪

親って大変そうだけど
楽しそう!!

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